塗装業界で頻繁に起きる  大きな値引きのからくり!

おはようございます、北九州の外装リフォーム専門店(外壁塗装・断熱塗装・屋根工事・防水工事・雨漏り)の「(株)匠エージェント」店長の梶川です。昨日も遠方に住んでいる友人から外壁塗装の相談を受けました。とても大きな値引きをしている会社があるそうで心配になってLINEで聞いてきたというわけです。


外壁塗装工事を依頼するお客様からするとお見積もりの金額を「値引き」してくれるというのは大変魅力的ですよね。なぜなら、外壁塗装は安い買い物ではありませんので、少しでも外壁塗装にかかる費用がお安くなるのはうれしいと思われるからです。(ごくごく当たり前の話ですけどね。)しかし、外壁塗装のお見積もりをすでに塗装業者に依頼した事があるお客様の中には、見積もりの値引き金額が大きすぎて


「う~ん、本当に大丈夫なのかなぁ?」

「なんかこれ、怪しくない?」


と逆に心配に思った事があるお客様も多いのではないでしょうか?今回は、こういった塗装工事の大きな値引きが行われる理由や仕組みについて「(株)匠エージェント」店長の梶川が分かりやすくお伝えします。



「足場代無料サービス」で大きな値引きのからくり


「塗装工事 足場無料!」というチラシを見かけたり、お客様が塗装工事のお見積りをとった際、営業マンに足場を無料にすると言われた事はありませんか?また、足場が無料になるからといって、請負工事契約の直前までなってしまってはないでしょうか?

塗装工事を経験された事のないお客様の為にも説明させて頂きますが、こういった説明は足場工事を無料にする事でお得感を演出し、塗装工事の契約を急かす「典型的な営業トーク」なのです。

ですので、これはお得だと思って釣られて契約してしまっては絶対にいけません。なぜなら、足場が無料になっている訳ではなく、他の部分の見積り単価を変えて足場費用を取っているだけにすぎません。こういった営業トークの具体例を2つご紹介します。


❶「塗り替えキャンペーンで、今なら足場代が無料!!」


❷「今、近所で塗装工事をしていて、足場の運搬費が掛からないから、足場費用をタダにします。」


大体、この2パターンが多いですよね。


このような2パターンの結論から言いますと、足場費用が無料になる事は絶対にありません。足場を組み立てるには塗装作業と違って、組み立てて解体するのに、かなりの労力が必要とされるからです。足場工事をよく知らない素人目からすると、近所で工事をしているから足場を運ぶ距離が短くなるので費用が安くなると一見思いがちですが、例え次の現場が近くても、遠くても、足場を解体して組み立てるのは全く同じ労力が掛かります。例え、交通費やガソリン代が安くなったとしても、足場工事費用全体に占めるウェイトは微々たるものだと言えます。


さらに足場工事は、安全かつ品質の高い外壁塗装をする上で必ず必要で、一般的な30坪ほどの家で15万円~20万円程度の費用が掛かります。ですから、冷静にちょっと考えればお分かり頂けると思いますが、15万円〜20万円もする足場工事を無料にしてしまうと、当然ですが足場工事を請け負った足場業者にとって、かなりの痛手になってしまいます。ほとんどの場合、足場業者が請け負うお仕事になりますので外注になっています。そんな気前の良い足場業者がある訳ありません。仮にいつもそんなに足場無料サービスをやっていたら、とっくにその足場業者は潰れています。


何度も繰り返しお伝えしますが、仮に足場費用が無料であったとしても、足場費用を他の部分に上乗せしている場合がほとんどで、最終的な塗装工事費用は変わりません。



「人件費」から大きな値引きのからくり


実は、外壁塗装工事は材料の価格(塗料代)ではなく施工代(言い方を変えると人件費、手間代)が大半を占めています。なぜなら、塗料の仕入れ価格はほとんど変わらないからです。塗料の仕入れの価格はほとんど変わらないのに、なぜ塗装業者によって施工金額に大きな差がでるのでしょうか?それは簡単です、つまり大きく変わる施工代金(人件費・手間代)を安くするからです。


①工期を短くする

施工代金(人件費・手間代)を安くするために、工期を短く します。丁寧な作業には手間と時間がかかるのでそこを省くのです。


②協力業者やアルバイトを雇う

さらに、もうひとつ考えられるのは熟練職人を雇う場合です。熟練職人は経験と知識があるのでそれなりの給料や日当が必要です。そこで、協力業者やアルバイトが施工するというケースも考えられます。同じ建物、同じ面積であまりにも安かったり値引きをして安くしてくれるところは仕上がりが違いますが責任感が薄いため施工自体が雑なのです。



「オリジナル塗料」の大きな値引きのからくり



よく、大手リフォーム会社、訪問販売から「オリジナル塗料」 という言葉を聞きませんか?


「ウチは○○大学と共同で開発した・・・」

「どのメーカーのものよりすぐれた弊社の塗料は・・・」


などが上等のうたい文句です。しかしちょっと考えてみてください。もしどこよりも優れているのであれば塗料販売の専門店になればいいのです。わざわざ営業訪問したり現場管理までしなくても塗料だけで商売できます。実はオリジナル塗料とうたっている塗料のほとんどは、どこかの大手塗料メーカーのラベルを張り替えただけなのです。しかもそのほとんどが安い塗料にもかかわらず高値で販売されています。試しにお客様自体が直接


「その塗料の主剤は何ですか?溶剤ですか?2液性ですか?」


と聞いてみてください。ほとんどが水性シリコンのはずです。

ではなぜ水性シリコンなのか?現在の塗装業界で一般的な外壁用塗料といえばシリコン塗料です。ですが、このシリコン塗料には特徴があります。それは、同じシリコンでもメーカーや性質によって定価がほぼ半額ということがあり得るのです。その中でも一番定価が安いのが水性シリコン。そこに塗装業者はつけ込んできます。これがさらにUV非対応やメーカーによっても大きな開きがあります。 同じシリコン塗料でも価格に大きな開きがあるのです!



まとめ


私が商談に行くケースとしてよくお客様からお聞きする大きな値引きの内容を一部紹介させて頂きました。大体が足場代・人件費・オリジナル塗料です。どこを切っても桃太郎飴のごとく同じ話が出てきます。お客様はすべて同じ塗装店に相談しているのかと疑うほどです。世の中そんなにおいしいお話はありません。良いものには良いなりの適正価格というものはありますし、人件費もそれなりに発生します。結論から言うと大きな値引きは不可能というわけです。ただ値引きが悪いというわけではありません。その会社その会社の事情で受注がしたい時もあります。決算月やキャンペーン時なのです。すべての値引きが悪とまでは言いませんが、大幅な値引きには何かあると思っていただいたほうがお客様の為にもなると思います。弊社のお客様の中には大幅な値引きは怖いので止めましたという方々がほとんどです。それではどういうふうに見極めたらよいのでしょうか?それはしっかりと業者に質問する事です。わからないことは質問する事です。しつこく質問することで変な話であればほころびが出てくると思います。営業マンの焦りだったりいろいろです。皆様もぜひ毅然とした態度で対応することが望ましいと言えます。でも安心してください、ほとんどの塗装業者さんが安心で安全ですから。




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