サッシ周りのシーリングの役割とは?〇〇性能を高める重要なカナメ

おはようございます。北九州の外装リフォーム専門店(外壁塗装・断熱塗装・屋根工事・防水工事・雨漏り)『(株)匠エージェント』の店長 梶川です。


先日の台風10号、被害はありませんでしたでしょうか。自宅の周囲を一度点検しておきましょう。まだまだ台風が来る可能性がありますからね。


一番見て分かりやすいのが家のサッシ周りです。そこには必ずシーリングというものが存在します。家の雨漏り対策の要である防水機能がそこには存在します。今日は雨漏り対策であるサッシ周りのシーリングについてお話します。



定期メンテナンスが必要なサッシ回りのシーリング


シーリングとは、英語の直訳では「詰め物をする」という意味であり、建築現場では外壁材や屋根材、配管回りなどに生じる物理的な隙間に詰め物をして、そこから水や汚れが入り込んだり、空気やガスなどが漏れたりしないようにするという意味を持っています。人が暮らす建物でほとんど採用されているアルミサッシの場合には外壁材との間に必ず隙間ができるため、専用のシーリング材を使用して隙間を埋め、雨漏りをシャットアウトするための防水工事を施す必要があります。


サッシとの隙間を埋めたシーリング材が防水性・水密性という機能をしっかりと果たすためには、定期的なメンテナンスが必要です。なぜなら、シリコンやウレタンなどの材質でできたシーリング材は、その特性上耐用年数の面でサッシや外壁材よりも早く劣化し、太陽の紫外線や温度差などの影響を受けて、約10年を経過するとひび割れ、肉やせ、剥離といった経年劣化が始まるからです。外部からの雨水の浸入を防いだり、建物の動きに追従して伸縮したりといった保護性能が発揮できなくなり、建物全体の劣化が起き始める要因となります。



サッシ回りにシーリングを施す理由とは

アルミサッシ(窓やドアなど)と外壁材との隙間にシーリング工事を施すのは、雨水をはじめとする水分が建物内部に浸入することを防ぐことと、地震や強風、大型車の通行などによって建物全体が揺れた場合の負荷を緩和するという2つの目的を果たすためです。戸建て住宅やアパートなどで採用されることが多い窯業系サイディングボードやALCパネル、マンションのタイル壁、比較的古い住宅に多いモルタル壁など、どのような外壁であってもサッシとの間には隙間ができるため、シーリング工事は必須です。シーリング材を充填した目地は、外壁材よりも劣化が早いという特徴があり、一般的な条件下では10年もすれば傷んできます。剥がれ、ひび割れ、シワなどの症状が出ている場合には、早め早めのメンテナンスが必ず必要になります。



シーリングのメンテナンス方法について


補修方法は、劣化した元のコーキング材を全て撤去し、全く新しいコーキングを充填する「打ち替え」と、劣化したコーキングの上から新しいコーキングを充填する「増し打ち」という2種類の方法があります。打ち替えの場合には、外壁やサッシに密着しているコーキング材をカッターナイフ等の様々な道具で綺麗に除去する作業が重要です。また、外壁の表面やサッシを傷つけないようにすることも意識します。その後、ハケを使っての清掃、養生テープ貼りからプライマー塗布、コーキング材の充填、ヘラ押さえへ、養生テープ剥がしと進みます。増し打ちの場合にも、ハケを使っての清掃、養生テープ貼りからプライマー塗布、コーキング材の充填、ヘラ押さえ、養生テープ剥がし、乾燥という手順で進めます。どちらの場合も、完全に隙間を埋め、耐久性を最大限発揮できるよう細心の注意をはらってのシーリング材打ちが必要です。



サッシ回りでよくある雨漏りの原因とは

シーリング材の劣化


雨漏りで最も可能性が高いのは、サッシ回りに充填されているシーリング材が劣化し、ひび割れや剥離、剥がれなどから雨水が浸入することです。

サッシ回りの外壁のひび割れ


本来シーリング材にあるはずの柔軟性が失われ、周囲の外壁にひび割れが起こることがあります。サイディングの反りも雨漏りの原因となります。

窓上部の換気扇や配管


窓の周囲に換気扇や配管などがある場合には、そこから風雨が吹き込んだり、シーリング材が劣化して雨漏りしたりする可能性があります。



サッシ廻りのシーリング工事の費用


シーリング工事の費用


シーリング工事の費用は、使用するシーリング材や目地の深さ・幅によって多少変動します。下記は一般的な素材である、NBウレタンや変成シリコンを使用した場合の相場です。


・シーリング撤去打ち替え 

¥750~¥1000/m


・シーリング増し打ち 

¥600~¥700/m


一般的な戸建て(2階建て30坪)の費用例


2階建て30坪の一般的な戸建て住宅を例にしますと、窓枠(サッシ廻り)のシーリング部分は約100m前後です。サッシ廻りのシーリングが約100mとして計算すると…


・シーリング撤去打ち替え 

¥75,000~¥100,000


・シーリング増し打ち  

 ¥60,000~¥70,000


となります。ただし、m数はサッシの数やボードの貼り方によってかなり変動します。また、シーリングの目地幅によって単価も異なってきます。


窓枠(サッシ廻り)のコーキングの劣化時期


サッシ廻りに限らず、コーキングは約10年前後で劣化してきます。外壁の向きによって劣化スピードは様々。劣化の原因は主に紫外線の影響によるものです。つまり、紫外線の影響を受けやすい南側・西側と日光を受けにくい北側ではシーリングの劣化スピードも変わってきます。



一般住宅用のシーリング剤の選び方 (玄関・窓サッシ用シーリング)


外壁や外壁に続く場所である玄関や窓サッシのコーキング剤を選ぶときには、「シリコン系のシーリング材」ではなく、「変性シリコン系のシーリング材」を選ぶようにしましょう。「シリコン系のシーリング材」は、撥水性に優れており、DIYで外壁まわりのコーキング補修する際に、使用されることがあるようですが、このシーリング方法は、失敗のもととなってしまいます。なぜなら、外壁塗装の際に、シーリング材の上から塗装をしようとしても、この撥水性が邪魔をして塗料がうまくのらない原因になります。結果的にこれが外壁塗装のシーリング施工不良の原因になったりします。そのため、DIYで玄関・窓サッシまわりのシーリング補修をする時には、「変性シリコン系のシーリング材」を使用するようにしてください。


さらに、その中でも「ノンブリードタイプ」のシーリング材をお勧めします。「ノンブリードタイプ」のシーリング材は、「ブリード現象」を起こさないように作られています。「ブリード現象」とは、シーリング材が硬化した後、のシーリング材がゴムのように伸縮性が出ますが、このために使われる添加物である可塑剤が表面に滲む現象のことを言います。表面に溶けて滲んだ可塑剤が、上から塗装した時に浮き上がってしまい汚れが付着してしまうからです。ノンブリードタイプのシーリング材は、店頭で販売されているところは少ないです。



サッシ回りへのシーリング工事のまとめ


定期的なチェックで雨漏りに怯えない安心の暮らしをあらゆる建物に採用されているアルミサッシは、シーリング工事の中でも重要性が高いと言えます。外壁とサッシの間を埋めているシーリング材は10年程度の間に劣化が進行するだけではなく、日常の暮らしの中でそこに注目することはほとんどないため、雨漏りのリスクに気付きにくいと言えます。外壁のサイディングボードやタイルの耐用年数と比べて短い周期でメンテナンスをすることによって、雨漏りや漏水の危険性を減らし、安心して暮らすことができます。


サッシ回りから起こる雨漏りを確認するポイントとしては、サッシ回りの外壁にひび割れ・変色・塗装の剥がれが生じていないか、コーキング材に劣化・欠損・剥がれがないかといった点が挙げられます。また、窓に水滴がついていないのにサッシ部分だけが濡れている、窓周辺の壁にカビが発生している、クロスに染みや変色がある、窓下の床に湿気があるといった症状も雨漏りと関連があるかもしれません。北九州の外装リフォーム専門店「(株)匠エージェント」では、防水工事やシーリング工事を請け負っており、劣化状況の無料調査も行っておりますので、お気軽に梶川までご相談ください。外装リフォーム検査士の私が責任をもって調査させて頂きます。

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