棟の積み替え、積み直しとは?屋根の棟補修工事の解説

屋根の棟とは?


おはようございます、北九州の外装リフォーム専門店「(株)匠エージェント」店長の梶川です。唐突ですが家の屋根の棟(むね)というのをご存知でしたか?体の胸ではありませんよ(笑)家の屋根の棟です。私もこの仕事に携わる前は、お恥ずかしながら聞いたこともありませんでした。棟とは、屋根面が接する境界部分のことです。

屋根の頂上にあるものや、軒先に向かって下っていく、平行に少し盛り上がった屋根部分が該当します。屋根棟は、瓦の隙間部分からの雨水の侵入を防ぐ働きがあります。屋根棟は屋根のなかでも傷みやすく、修理機会の多い部分です。特に20~30年以上前に建てられたお家では、固定技術が現在より数段劣るため、修理が必要な箇所となります。


屋根棟は、屋根の材質の種類によって2つ素材に分かれ、修理時の工事内容も変わります。お家の屋根が「金属」「スレート」の場合は、棟は金属製の「棟包板金」と呼ばれるものが使われています。屋根材が「瓦敷き」ならば、棟も同じ材質を使った棟瓦で出来ています。瓦屋根の棟の修理は、ズレた棟瓦の積み直しや、固定に使われている漆喰の塗り直しなどが行われます。


和瓦・洋瓦屋根用の「棟瓦」は、約15~20年おきのメンテナンスが目安です。施工内容は、接着力がなくなった漆喰の塗り直しや、瓦のズレの調整、損傷した瓦の交換が主になります。棟瓦が崩れてしまっている場合や、瓦が吹き飛んでしまっている場合は、至急修理を依頼するようにしてください。放置すると、雨漏りや下地材など建材の腐食進行が進みます。そうなると瓦と下地材の全交換が必要になり、工事に300万円前後の葺き替え費用が発生することもあります。


棟瓦の構造


ところで、棟瓦はどのように施工されているのでしょうか。以下の図は、葺き土を使用した棟瓦の一例で「大回し工法」と呼ばれるものです。

現在築20年以上の瓦屋根なら多くがこのような施工方法でしょう。棟部分に葺き土を盛り、のし瓦を積みながら形作り、頂部に冠瓦を載せます。使用される葺き土は粘土質で、瓦を支え固定する力があるのです。最後に、途中で仕込んでおいた銅線でくくり補強します。


ところが年月が経過すると使用している材料が劣化し、固定力が徐々に弱まってしまいます。すると雨を防ぐことが出来ず雨漏りを引き起こしたり、地震や強風の際に支えきれなくなり棟瓦自体が崩れてしまったりするのです。


棟の積み直しが必要なケース


それでは棟積み直し工事が必要な場面を見ていきましょう


・地震の被害


地震の揺れは地上から高ければ高いほど大きく揺れます。わかりやすい例として、何十階もある高層マンションでは高層階になればなるほど地震によって揺れを感じると聞いたことがあるのではないでしょうか。それは一般的なお住まいにおいても同じで、特に屋根は建物で一番高い場所であるため、それだけ揺れやすく、地震によって被害を受けやすい場所です。


棟瓦は土台に土を詰め、漆喰で硬めて銅線でしっかりと固定していますが、それでも揺れによって棟が曲がったり崩れることがあります。


・台風などの強風被害


地震同様に屋根は建物のどの部位よりも風の影響を強く受けます。それは高所であることや、周りの建物の影響を受けにくいといった要因からで、特に風速が25m/毎秒以上の強風では瓦が飛散すると言われています。その場合は風で棟がずれたり崩れることだけでなく、風による飛来物によって棟がダメージを受けるといったこともあります。


・経年による場合


新築時や屋根のリフォームを行ってから年数が経つと様々な箇所に問題が発生してきます。例えば漆喰ですが10年以上が経つと変色から始まり、剥がれ、さらには漆喰の奥に詰められた土が出てきてしまい、土台部分から崩れるケースもあります。他にも固定用の銅線が緩んだり切れてしまうなどもあります。


棟のメンテナンスのサイン


それではどのような症状が見られた場合は棟のメンテナンスが必要になるのかご紹介いたします。


・棟の歪み


地震や台風、経年による漆喰剥がれなどで棟が歪んでいる場合は棟取り直し工事が必要です。基本的に棟は真っ直ぐですが、真っ直ぐなっていないだけでなく、波状に歪んでいるケースなど見た目による変化でわかります。


・漆喰の変色・剥がれ等


 漆喰が傷んでくると、まずは変色が見られ、さらに時間が経過するとひび割れ、さらに剥がれと問題が進んでいきます。他にも漆喰部分に苔や藻などが繁殖することもありますので、これらの問題が見られた場合は漆喰補修が必要です。


・瓦の割れ


 棟は数種類の瓦で構成されています。一番下の土台にはのし瓦という平たい板状の瓦が使われています。その上に半月状の冠瓦が乗っています。どちらもそう簡単に割れることはありませんが、強風などで飛来物が当たったり、棟の固定が弱くずれ落ちて割れるといったこともあります。


・銅線の外れや切れ


 棟に積まれた瓦は銅線で固定されていますが、銅線も何十年も持つものではないので定期的に交換が必要です。緩みや切れが発生すると、いずれ瓦がずれ、最終席には棟が崩れてしまいます。


耐震棟のご紹介


屋根のリフォームで、お住まいの耐震性をアップすることも可能です。


重心が高い位置にあると、ものが揺れたときの揺れ幅は大きくなります。重い屋根を軽くすることができれば、その分建物の重心が低くなるので、揺れ幅が小さくなり、躯体への影響も少なく済むのです。


棟の耐震棟つまり乾式工法とは、葺き土や漆喰を使用せず、棟部分を乾式面戸シートと呼ばれる防水性のあるシートで覆い雨水の浸入を防ぐ施工方法です。


土のかわりによく使われる南蛮漆喰は、棟1mあたりの重さが約10㎏、それに比べ乾式面戸シートは約600gですから、どれだけ軽くなるのかがお分かりいただけると思います。乾式工法ならのし瓦を高く積み上げることもないのでその分の重量も削減されることになりますね。


棟の積み直し工程を工法別に解説


ア)大回し工法施工手順


①既存棟瓦の解体

②新しい鬼瓦を銅線で固定する

③南蛮漆喰をつめていく

④のし瓦・冠瓦を再び並べて積み直す

⑤銅線を巻いて固定する


イ)乾式施工手順


①既存棟瓦の解体

②補強用の金物・芯材を取り付ける

③乾式面戸を設置する

④棟瓦を再び並べて積み直す

⑤丸瓦を芯材にビスで固定する



棟瓦取り直しに火災保険が適用できるかもしれません


台風によって棟瓦が飛散して雨漏りに!


 突然の被災では、お住まいや生活への不安が募るばかりか、すぐに修理が必要となれば経済的な負担も強いられ、心配事は増えるばかりです。でももし火災保険にご加入なら、棟瓦取り直し工事やその他の修繕に適用できるかもしれません。


 近年は大型台風やゲリラ豪雨が相次ぎ、「火災保険は火災以外の損害にも適用できる」という認識が広まりつつあるのではないでしょうか。火災保険は、風災や水災など、以下のような理由で家屋や家財に被害を受けた際、申請すれば補償を受けることができる場合があります。


 つまり、台風や強風による棟瓦倒壊などでお困りならその修繕費用を火災保険にて賄える可能性があるのです。実は8割以上の方が新築時に加入していると言われる火災保険。お心当たりのある方は一度保険証書を確認されてみてください。

火災保険対応のご案内はこちら


棟瓦積み直し工事をご検討中の方へ

 

棟瓦積み直し工事は棟工事としては大掛かりな部類の施工内容になります。そして、棟瓦積み直し工事に至るまでに前兆となる漆喰の剥がれや銅線の緩みなどが見られることがほとんどです。このような早期に棟の状態が分かってメンテナンスをすれば、棟瓦積み直し工事ではなく銅線の交換だけや漆喰工事など工期も費用もそれほどかからない工事で済むようになります。


お住まいは自然災害でなくても年数が建てば悪い箇所が出てくるものです。問題がなくとも定期的な点検を屋根工事専門業者に依頼することで、状態を悪化させる前に補修することができるのです。


北九州の外装リフォーム専門店(株)匠エージェントではお住いの屋根無料点検を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。


北九州の外装リフォーム専門店(株)匠エージェントでは無料でのお見積りも承っておりますので、現在の詳細な屋根工事施工費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。



アーカイブ

人気記事