おはようございます。北九州の外装リフォーム専門店(外壁塗装・断熱塗装・屋根工事・防水工事・雨漏り)『(株)匠エージェント』の店長 梶川です。
近年、自家発電で電気料金の節約や売電が可能な太陽光パネルを屋根に設置している住宅が増えてきました。
イニシャルコストはかかるものの、運用期間次第では回収も見込め、さらに副収入にも期待が持てるためです。環境に優しくエコロジーであるということも後押ししているでしょう。
今後、更に太陽光パネルを設置した住宅が増加することが考えられます。
しかし、お住まいでは太陽光パネルを設置した時には考えもしなかったメンテナンスを行っていく必要もでてきます。本日は、そんなお話です。お付き合いください。
太陽光パネルの下は屋根塗装しない
最近では太陽光パネルを設置してある建物をよく見かけるようになりました。太陽光発電協会のデータによると2020年時点での太陽光発電の普及率は10%(総戸数2,817,670件)と年々増加しています。
これは2009年から始まったFIT制度(固定価格買取制度)によって太陽光パネルを設置するメリットが上昇したためです。
そして太陽光パネルが屋根に設置してる場合の屋根塗装ってどうなるかと言えば、基本的には必要ありません。
これは屋根の劣化の原因が紫外線、雨、風のため、太陽光パネルが屋根を保護してくれるので、太陽光パネルの下の屋根はほとんど劣化しないからです。
ただ、太陽光パネルはメーカーの施工基準に沿って軒先から離して設置しなければいけないので(強風による煽りの影響を懸念して)太陽光パネルがかぶっていない箇所ができます。
この箇所は通常通りに劣化していますので、気になる方はこの太陽光パネルがかぶっていない箇所だけ屋根塗装するのがおすすめです。
屋根塗装は㎡いくらと言う具合に塗装面積によって料金が決まりますので、屋根全体の塗装よりも価格はかなり抑えられます。
太陽光パネルの脱着はおすすめしない
基本的には太陽光パネルの下の屋根は劣化が進みませんので塗装による手入れは必要ありませんが、それでも気になる方は太陽光パネルを一度取りはずして屋根全体を塗装します。ただ、太陽光パネルの脱着はおすすめしません。
理由は2点あって、1つは太陽光パネルの脱着費用が安くないということです。費用はシステム規模によりますがだいたい10万円~20万円というのが相場になります。太陽光パネルの投資パフォーマンスに影響する価格ですよね。
もう1つは、万が一の不具合時にメーカー保証が効かなくなるというリスクがあるからです。各太陽光パネルにはメーカーから付与された保証があり、システムの不具合時にはメーカー側が無償で対応してくれますが、屋根塗装などによって人的にいじって不具合が出てしまった場合には保証は適用されません。
それでも、太陽光パネルを取りはずして塗装をするのであれば、太陽光パネルに関しても施工実績のある業者に脱着をお願いするようにしましょう。
屋根塗装期間中の発電量低下は我慢しましょう
太陽光パネルが設置してある屋根の塗装時には、太陽光パネルに塗料が付着しないように太陽光パネルは養生されることになります。
当然、屋根塗装期間の発電量は低下しますがこの期間の発電量に関しては我慢しましょう。一般的には太陽光パネルが設置してある屋根塗装期間は2日~5日です。
ちなみに養生前には高圧洗浄によって屋根塗装する箇所の汚れを落とす作業を行いますが、可能であれば太陽光パネルも洗浄してもらうとよいでしょう。
太陽光パネルも数年外気に触れていて汚れ(鳥のフンやゴミ、チリ)などが付着して発電力は低下していますから洗浄によって発電効率が数%回復します。
ちなみに屋根にアンテナが設置されている場合にも養生シートで対応しますが、その後テレビが映らなくなったなどの声もありますので、屋根塗装完了後にはテレビが正常に稼働するかも確認することをおすすめします。
理想は屋根塗装をしてから太陽光パネルを設置
太陽光パネルの寿命は30年以上とも言われていて、現在一番古い太陽光パネルは1966年に設置された長崎県の尾上島灯台(おがみしまとうだい)に設置されたシャープ製の太陽光パネルになります。
この太陽光発電はパワーコンディショナー(太陽光パネルの電力を直流電流から交流電流に変える変換機)の交換はありましたがパネルは当時のままです。
このように太陽光パネルは何十年も稼働する設備になりますし、一度設置したらよほどのことがない限り取外しは行われません。
ですので、太陽光パネルを設置する前に屋根全体の塗装を完了させてしまうのが得策です。ちなみに太陽光発電と外壁塗装と屋根塗装を一緒に行えば足場を併用して使うことができるので足場代約20万円~30万円の削減にも繋がります。
太陽光パネルは脱着させずに屋根塗装するのがおすすめ
個人的には太陽光パネルが設置してある屋根へは、太陽光パネルがかぶっていない箇所のみの屋根塗装がおすすめです。
費用も通常の屋根塗装の4分の1程度で済む可能性もありますし、屋根の保護もできます。また、その際は太陽光パネルの洗浄も一緒に行ってもらうことと外壁塗装も一緒に検討するようにしましょう。
屋根と外壁のリフォーム時期を揃えることでも足場代の削減の他に打ち合わせにかかる時間の削減にも繋がります。
太陽光パネル設置の屋根塗装の注意点
太陽光パネルが設置された屋根を塗装する際は、太陽光パネルを破損させない・屋根を長持ちさせるための注意点があります。塗装業者の中には、配慮なく作業する業者もあるので、雑な作業をされないためにもご自身で注意点を把握しておきましょう。
1.パネルを踏まない
屋根の作業時は太陽光パネルを踏まないようにしてもらいましょう。人が乗ると表面のガラスが割れてしまう可能性があるからです。
また、ひび割れが入ると内部にほこりや雨水が入り込んで故障の原因にもなります。少しくらい…と乗られてしまわないように、作業に入る職人には「乗らないでください」と伝えておくと安心です。
2.屋根の状態をチェックしてから塗装する
塗装をする前に屋根の状態を確認してもらいましょう。屋根の状態が悪いまま塗装をしてしまうと
・短期間で剥がれる
・塗装後に雨漏りしてしまう
など不具合が発生してしまうことがあります。下記に当てはまる方は、塗装ができないほど劣化しているケースもあるので、注意しましょう。
・築20年以上未塗装
・築30年以上経っている
・すでに雨漏りしている
屋根の劣化が進んでいる場合は、一度太陽光パネルを外して、カバー(重ね葺き)又は葺き替え工事をしましょう。
▼費用相場(面積・形状・劣化状態により異なります)
・カバー(重ね葺き)工事…100~300万円
・葺き替え工事…200~400万円
どちらも大きな費用がかかりますが、屋根に寿命が来てしまったら必須な工事です。
屋根が劣化しているのに工事を行なわずに放っておくと雨漏りに繋がり、屋根だけの問題ではなくなってしまいます。
お家全体を長持ちさせるためにも、状態に合ったメンテナンスを行なっていきましょう。
まとめ
屋根塗装を行う事で傷んだ屋根を補修し雨漏りを防ぐ、という訳ではなく、屋根材の耐久性と美観性の維持の為に行うメンテナンスです。
太陽光パネルの設置に伴い雨漏りが発生してしまったというお住まいもございますので、屋根材の耐用年数と経年劣化、太陽光パネルの運用方法をしっかり確認してから塗装工事に臨みましょう。
太陽光パネルが設置された屋根の塗装をご希望される方は、まずリフォーム専門業者による点検を行ないましょう。
屋根の状態を実際に確認することで適切なメンテナンスの提案を受けることができます。リフォーム業者に見てもらうべきところは以下の2点です。
・屋根にひび割れ等がないか
・太陽光パネルに傷や汚れがないか
もし屋根の劣化が進んでいる・太陽光パネルが破損しているなどのことが起きていれば塗装以外の工事が必要になります。まずは、塗装ができる屋根の状態かをチェックしてもらうようにしましょう。
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