コロニアル屋根とは!特徴や塗装する際の注意点を説明 内容

コロニアル屋根の説明(そもそも何か、コロニアル屋根の特徴)


コロニアル屋根とは、戸建て住宅専用のスレート屋根材の商品名です。クボタとパナソニックの合併会社であるケイミュー株式会社が製造、販売しています。


地震が多い日本では、建物の耐震性能が重視されてきた歴史があります。軽量で耐震性が高いことから、1995年の阪神淡路大震災がきっかけで普及したコロニアル屋根ですが、初期のものには現在使用が禁止されているアスベスト(石綿)が含まれていました。2004年にアスベストの使用・製造が全面禁止されてからは、ノンアスベストのコロニアル屋根が作られるようになり、改良されながら製造されています。セメントと繊維質を混ぜて板状にした屋根材をスレートといいます。


「コロニアル」や「カラーベスト」はスレート材の商品名ですが、一番普及している「コロニアル屋根」と呼ばれることが多いです。耐用年数が20~25年あるコロニアル屋根は価格も手ごろなので、採用実績が最も豊富な屋根材といえます。


コロニアル屋根材の種類と特徴

コロニアル屋根は種類によって特徴や適切なメンテナンス方法が異なります。


ニューコロニアル(第一世代)

ニューコロニアルはアスベストを使用した屋根材で耐久性が高いです。(特徴としてはジグザグとした頭の形状と縦に入った木目調の模様)


アスベスト(石綿)は天然の鉱物繊維のことで、すぐれた耐熱性や扱いやすさからさまざまな建築資材の材料として使用されてきました。しかし、アスベストが人の肺に入ると長い潜伏期間を経て、肺がんや悪性中ひ腫を引き起こすことがわかりました。そのため、現在ではアスベストを含んだ製品の製造は法律で禁止されています。


塗装のみのリフォームではアスベストを気にすることなく工事を実施いたします。また屋根材の劣化が酷い場合は葺き替え工事も可能ですが、カバー工法での施工をおすすめしております。


コロニアルNEO(第二世代)

2001年頃から販売が開始されたコロニアルNEOは、ノンアスベストの屋根材です。


健康被害からアスベストを使った製造が中止となり、屋根材メーカーは試行錯誤を繰り返すこととなりました。アスベストに代わる素材は簡単には見つからず、その当時の屋根材は強度が低くさまざまな問題が起こりました。特にコロニアルNEOに見られる劣化症状としては、「ひび割れ、欠け、変色」があげられます。


屋根のメンテナンスといえばまず塗装が考えられますが、コロニアルNEOは塗装のために屋根に登った職人の重さでも割れてしまうことがあります。また、大きな欠けも起こりやすく、メンテナンスを行う前に雨漏れに直結してしまう事例も見つかっています。

コロニアルNEOは不規則にそして1枚ずつ変色していくのが特徴です。


コロニアルクァッド(第三世代)

現在のスレート屋根材の主流といわれるのが、第三世代のコロニアルクァッドです。リフォームに使用されるコロニアル屋根の中で最もベーシックなグレードだといえます。


コロニアルクァッドは、2008年に販売が開始された商品です。

高い耐候性をもつアクリルコートと基材、中間層からなるコロニアルクァッドは、表面の塗膜が劣化しても色あせしにくくなっています。リフォーム販売開始から十数年しか経過していないことから、強度やメンテナンスへの評価はまだ十分に検証されていません。一方で、カラーバリエーションがとても豊富なコロニアルクァッドは、優れたデザイン性が評価されています。


和瓦やガルバリウム鋼板など他の屋根材と比較すると、軽量で施工費用も安く、工期も短いコロニアル屋根は非常に人気がある建材です。


コロニアル屋根のメリットデメリット

リフォームの際に、最も選ばれているコロニアル屋根。しかしこれまでの歴史を考えても万能というわけではありません。屋根材を選ぶときに注意したい、コロニアル屋根のメリットとデメリットとは何なのかをお話しします。


メリット

コロニアル屋根のメリットとして、他の屋根材と比べて価格が安いことがあげられます。他の屋根材と比較するとコロニアル屋根は軽量で加工しやすい特徴を持っており、工期が短くて済むのが利点です。リフォームの工期短縮は費用を抑えるポイントの一つです。


また、地震が多い日本では倒壊のリスクを避けるために軽量なコロニアル屋根を選ぶことが多いです。屋根の重量を軽くすることで住宅全体の重心を下げて地震へ備えることができます。


続いてのメリットは、豊富なカラーバリエーションで住宅のデザイン性を高められる点です。ブラックやブラウン、シルバー系だけでなく、グリーンやオレンジなど、洋風な外観スタイルにも似合うカラーがそろっていて選ぶ楽しみもプラスされています。


デメリット

他の屋根材と比べると、セメントと繊維質の混合素材を薄い板状に加工したコロニアル屋根はひび割れを起こしやすいです。また、薄いことから断熱性が低く凍結しやすいため、寒冷地の屋根材としてはおすすめできません。コロニアル屋根の表面には凹凸があります。水が溜まるとカビやコケが発生して汚れやすい点もデメリットと考えられるでしょう。そのため、定期的に汚れを落として塗装をするメンテナンスが必要になります。


コロニアル屋根に現れる経年劣化した際の症状


具体的な経年劣化の症状は以下の4つです。


1:コロニアル屋根のひびや欠け

2:コロニアル屋根の色褪せ

3:コロニアル屋根の反り

4:コケの繫殖


1つずつ順番に解説していきますので、コロニアル屋根の経年劣化の症状について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


【経年劣化の症状①】コロニアル屋根のひびや欠け

1つ目の経年劣化による症状は、コロニアル屋根のひびや欠けです。コロニアル屋根は、雨などで水分を含むと膨張して晴れた日には乾いて乾燥します。この「膨張」と「乾燥」を繰り返すことで、釘で固定されているコロニアルに歪みが生じて、ひび割れが発生します。気候などによっても異なりますが、10年ほどの年月をかけてゆっくりと歪みが進行して、ひびが発生してくるのです。ちなみに、コロニアル屋根にひびが入った場合は、新しいコロニアル屋根に取り替える必要があります。


【経年劣化の症状②】コロニアル屋根の色褪せ

2つ目の経年劣化による症状は、コロニアル屋根の色褪せです。色褪せは、新築時の塗膜の効果が切れることで発生します。塗膜とは、コロニアルに塗られていた塗料が、紫外線によって劣化している状態です。コロニアル屋根の色褪せは、環境によっても若干違いますが、5年前後で現れることが多いです。コロニアル屋根が色褪せすると、屋根自体が水分を吸収しやすい状態になってしまいます。ちなみに、色褪せしたコロニアル屋根の対処法としては、新しいコロニアル屋根への取替えが挙げられます。


【経年劣化の症状③】コロニアル屋根の反り

3つ目の経年劣化による症状は、コロニアル屋根の反りです。コロニアル屋根の反りが発生する原因は、ひびと同じです。水分を含んで膨張し、晴れの日に乾燥を繰り返すことで反りが進行していきます。コロニアル屋根の反りは、10年ほどかけて進行し、一度反ってしまったコロニアル屋根は元に戻ることはありません。色褪せや塗装剥がれであればカバー工事で対処できますが、反ってしまった場合は、コロニアル屋根の交換をする必要があることを覚えておきましょう。


【経年劣化の症状④】コケの繁殖

4つ目の経年劣化による症状は、コケの繫殖です。コケの繫殖は、コロニアル屋根の防水効果が切れていることを表しています。常に吸水している状態にあるため、空気中のコケの胞子が屋根につき、繫殖してしまいます。コケが繫殖すると、コロニアル自体が脆くなってしまうので、注意が必要です。7~10年でコケが発生しますが、特に日の当たらない面で、よく見られます。コケが発生した場合は、コロニアル屋根の交換をするか高圧洗浄でコケを洗い流すようにしましょう。


経年劣化したコロニアル屋根は、必ずメンテナンスを行うようにしましょう。なぜなら、メンテナンスを怠ると、コロニアル屋根の寿命が少なくなってしまうからです。メンテナンスを怠ると雨漏りの原因になってしまい、雨漏りが発生すると、屋根全体の葺き替え工事が必要になってくる可能性が高く、場合によっては莫大な費用がかかってしまいます。「メンテナンス費用がもったいない」と、メンテナンスを怠ると結果的にメンテナンス費用以上の出費が発生してしまうので、経年劣化したコロニアル屋根のメンテナンスは必ず行うようにしましょう。


コロニアル屋根以外もメンテナンスが必要な場合も

コロニアル屋根以外にもメンテナンスが必要になってくるケースが存在します。それが、「棟板金(むねばんきん)」の釘が抜けている時です。棟板金は、屋根の頂点で屋根材の固定を行っている板金の事で、コロニアル屋根の家なら必ずついています。棟板金の釘が抜けると、雨が降った時に屋根内部に雨水が入って中の板を腐らせてしまい、棟板金は風で飛ばされるといった危険も考えられます。釘はおおよそ5〜7年で抜け始めるので、コロニアル屋根と合わせてメンテナンスをしっかりと行いましょう。コロニアル屋根のメンテナンスを依頼する場合は、実績のある外装リフォーム専門業者に依頼するようにしましょう。


実績のある業者に依頼するメリットは、以下の通りです。


・安心安全なメンテナンスを行ってくれる

・メンテナンスの際のミスがない

・屋根の症状に合わせて適切な処置が行える


実績があまりない業者に安価で依頼できるケースもありますが、あまりおすすめはしません。なぜなら、メンテナンス時にミスが起きる可能性があるからです。それと連絡の徹底が職人まで行き届かないケースもあります。そのため、コロニアル屋根のメンテナンスの依頼は実績のある外装リフォーム専門業者に依頼するようにしましょう。


コロニアル屋根塗装をする際の注意点


ここでは実際にコロニアルを塗りかえる前に知っておきたいポイントを3つお話します。業者任せにせず、しっかり確認をして施工してもらいましょう。


①汚れがおちつつ、屋根を傷つけない高圧洗浄


コロニアルは苔や錆などの汚れが付きやすいため、塗替えの際はまずこの汚れをきちんと取り除くことが必要です。高圧洗浄は圧を掛け過ぎてもコロニアルに負担がかかり破損しやすくなるので、圧を調整しながら洗浄すること、また落ちにくい場合はケレンなど手作業での除去作業が必要です。


②下地はしっかり塗られているか


洗浄同様下地でコロニアルの塗替えはほぼ決まると言えます。しっかり汚れを落として乾燥させたあとに、専用の下地をしっかり塗り込みます。コロニアルはセメントでできているため、下地がしみ込みやすく下地が染込まなくなるまでしっかり塗り重ねることが必要です。洗浄と下塗りなどの下処理がしっかり行われているかどうかで、塗替え後の耐久年数は大幅に変わります。


③縁切りは行われているか


縁切りとはコロニアルが重なっている部分の隙間を専用の道具で確保する作業のことです。塗料を塗り重ねることで、本来コロニアル同士のある間の隙間がふさがれ、雨の日にコロニアルの下に入り込んだ雨水が排出できず、屋根内部に雨水が入り込み雨漏りの原因となるのです。そのため、コロニアルの塗替えの際は縁切りは必須であり、専用の道具で塗替え後に隙間を確保するか、最初に「タスペーサー」という材料をコロニアルの間に挿しこんで塗替えを行う方法もあります。


コロニアル屋根を塗装をする際の手順


当店が行う一般的な薄型化粧スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)屋根塗装の施工手順をお話します。


1.高圧洗浄

薄型化粧スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)屋根の表面に付着している汚れ(ホコリ・カビ・藻等)やチョーキング現象による旧塗膜の白い粉を落とす為に、高圧洗浄機の12~15Mpa(1c㎡当たり120~150kgの圧力)と780L/hの総水量で汚れを押し流します。チョーキングによる白い粉や屋根材に付着したカビや藻は、屋根塗装の妨げとなる為、塗装する前に高圧洗浄で入念に洗い流す必要があります。不十分な高圧洗浄は、塗装の光沢ムラの原因になります。また、高圧洗浄を行う際には、屋根材の張り重ね部分に詰まったホコリを入念に洗い流す事が美観に優れた塗装仕上げにする大きなポイントです。


高圧洗浄を行った後は、しっかりと屋根材を乾燥させて、後の屋根補修や塗り替え作業に支障が無い状態にします。余談ですが、「カラーベスト屋根の塗膜が早期に剥がれてしまう。」といった不具合に関しましては、十分な高圧洗浄と素地が乾燥した状態で塗装作業が行われていれば、先ずをもって簡単に塗膜が剥がれる事はありません。


2.下地調整


通常の高圧洗浄では除去しきれない、脆弱な塗膜(塗膜の膨れ・塗膜剥がれの周り)や板金笠木に錆びがある場合は、スクレイパー・ワイヤーブラシ・マジックロン等のケレン具を用いて、しっかりケレン作業を行います。


ケレン作業は、一般的に旧塗膜や錆びの除去の事を指します。ケレン作業は、塗膜の耐久性と仕上がりの良さに大きな影響を与えます。屋根の高圧洗浄ができない場合は、特にケレン作業を入念に行う必要があります。 (ちなみにケレン作業を丁寧に行う事で、塗装工事で生じる不具合の約50%は、回避できるといっても過言ではありません。)塗装面に劣化した脆弱な旧塗膜が残っていると、屋根を塗り替えた後、不具合が生じやすくなります。高圧洗浄で取り除けない汚れがある場合は、丁寧にケレン作業を行い、屋根塗装に適した状態にする必要があります。 塗装前には、必要に応じて、防カビ・防藻剤の塗布を行います。


3.下地補修

カラーベスト・コロニアル(薄型化粧スレート屋根)の劣化症状に応じて、クラック補修・屋根材の部分差し替え等の適切な屋根補修を行います。 その際には、屋根棟笠木の板金部分の浮いた釘打ち込み補修も行います。棟笠木の木下地の状態によっては、釘が効かない場合もありますので、その様な場合には、釘をステンレス製の皿ビスに交換してインパクトドライバーで打ち込みます。

その際には、ビス周りから漏水しない様、ビスの周りに塗装する笠木の色に合わせたシリコン系シーリング材を充填します。


なお、木下地が腐食している場合は、木材を交換する必要があります。塗料を塗る下地が塗装に適さない状態では、塗料が本来持つ性能を十分発揮できなくなる為、塗装工事の前には、適切な補修作業を行う必要があります。


4.養生作業

薄型化粧スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)屋根塗装を行う前には、マスカー・ビニル・布テープ・マスキングテープ(耐溶剤性・耐熱性に優れたものを選定します)等を用いて、塗装しない部分に塗料が飛散、付着、潜りこまない様、しっかりと養生作業をします。養生テープのラインが塗装の仕上がりの見切りラインになるので、正確に養生作業ができていれば、当然ですが仕上がり感も美しくなります。また、養生作業には、仕上がった塗装面を汚れや傷から守る役割もあります。


5.下塗り

薄型化粧スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)塗装に適した、カチオン系シーラー・エポキシ系シーラー等を1~2回(下地の状態によっては、最高4回位)まで塗装します。シーラーの下塗り前には、屋根材の掃き掃除を行い、(特に屋根材の張り重ね部分に残っているホコリやカビに注意して、掃除する必要があります。)屋根塗装の品質を大きく向上させます。


カラーベスト・コロニアル屋根の表面が濡れ肌感になるまで、耐久性に優れ、塗料の吐き出しの良いローラー(毛の長さ18~20mm程度 はけやの「秀吉」PIAの「ラム」がおススメです。) や刷毛を使って、丁寧に塗装します。カラーベスト・コロニアル屋根用のシーラーには、下地強化機能、吸い込み止め、密着向上、色むら防止させる役目があります。屋根板金部分の下塗りは、ローラー(マルテー大塚の「ツイスト」、はけやの「ミニマクロファイバーローラー」、タイホウの「銀虎」あたりが良いです。)や筋交い刷毛を使って、弱溶剤型エポキシ系錆止めを1~2回下塗りします。


6.縁切り部材の挿入

薄型化粧スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)の貼り重ね部分が狭すぎる事によって生じる「毛細管現象」は、屋根材の裏に湿気が溜まり、屋根材を腐食させ、室内への漏水の原因になります。この様な重大な品質トラブルを防ぐ為、当店では、ポリカーボネート製の薄型化粧スレート屋根用縁切り部材 セイム「タスペーサー02」を1㎡当たり5~10カ所 (幅900mm=㎡10か所挿入、幅600mm=㎡5か所挿入する事を推奨します。但し、屋根材の反り上がりが激しい場合は、「タスペーサー03」を使用する必要があります。)屋根材の隙間に挿入します。


また、屋根材に4mm以上の広い隙間がある場合(屋根材を破損させる恐れがある為です。)や屋根の勾配が緩やかな場合にタスペーサーを挿入する必要はありません。

縁切りタスペーサー参考ブログはこちらから


7.上塗り

ウレタン・シリコン・フッ素等の、カラーベスト・コロニアル屋根に適した上塗り塗料を2~3回ローラー(仕上げ用ローラーは、毛抜けが少なく、毛の長さ18~20mm程度、低飛散性と耐久性を重視して選定すると良いです。ちなみにマルテー大塚の「マイクログランデ」好川産業の「マイクロキューブ」昭利ブラシの「白鷹」あたりが良いです。)や筋交い刷毛を用いて、丁寧に塗布します。


屋根用上塗り塗料には、下塗り塗料や屋根下地を紫外線や水から守る役割があります。また、屋根材の美観もこの作業で決まるので、とても重要な作業です。余談ですが、当店では断熱タイプのシリコン系塗料を頻繁に使用しています。(ガイナ)



8.カラーベスト・コロニアル屋根塗装の完成

カラーベスト・コロニアル屋根塗装完成です。