塗装ができないコロニアルの特徴とは?その訳と適切なメンテナンス方法

おはようございます。北九州の外装リフォーム専門店(外壁塗装・断熱塗装・屋根工事・防水工事・雨漏り)『(株)匠エージェント』の店長 梶川です。


お住いの屋根がコロニアルNEOだと診断されたことはありませんか?(株)匠エージェントでも「屋根塗装を依頼しようと思ったらコロニアルNEOだから出来ないでしょうか?」というケースのご相談を頂くことがあります。塗装を必要とするはずのスレート屋根材ではありますが、実はコロニアルNEOには塗装がオススメできない理由が存在しています。今日はコロニアルNEOへの塗装が不可な理由と、代わりのメンテナンス方法について詳しくお話したいと思います。



コロニアルNEOとは


コロニアルNEOは、2001年に”クボタ(現KMEW)”からアスベスト規制により使用出来なくなった”ニューコロニアル”の後継として販売されていたノンアスベストスレート屋根材です。その後、2008年にコロニアルクァッドが発売されるまで約7年間の販売で終了しました。ですが、その7年間の間にコロニアルNEOは、全国の戸建て住宅の屋根に使用されました。特徴としては、不規則なヒビ割れ・欠け・変色などがあります。


スレートの歴史から


まずは、スレートの歴史を簡単に振り返ってみましょう。古くは、明治時代に、日本に”天然スレート”・”石綿スレート”が輸入されました。天然スレートは、粘板岩(ねんばんがん)と呼ばれる天然の石を加工したものなので、希少価値の高い高級屋根材とされ、日本では、あまり普及していません。ちなみに東京駅の屋根は、天然スレートです。


一方、セメントに石綿(アスベスト)を混ぜて圧縮成型した”石綿スレート”は、断熱性・防火性・耐久性が高く、日本の屋根建築資材として多く普及しました。


コロニアルNEOはノンアスベストのスレート屋根


コロニアルNEOはノンアスベストのスレート屋根材です。アスベストはかつて建材に多く使用されましたが、その後の研究により健康への悪影響が明らかになり、現在は使用が制限されています。制限がされ始めた時期に登場したのがコロニアルNEOです。アスベストは建材の耐久性を高めるために含まれていましたが、使用の制限によりノンアスベストの屋根材を開発する必要がありました。コロニアルNEOの他にも「パミール」や「レサス」などがノンアスベスト屋根材として挙げられますが、どれも施工されてから数年が経過するにつれ、耐久性に問題を抱えていることが発覚していきました。まだアスベストを抜いても耐久性を維持できる技術が確立されていなかった時代です。


コロニアルNEOはなぜ塗装できないのか


一般的なスレート屋根と異なりコロニアルNEOは塗装できません。その理由は先程お話したように、もともと耐久性に問題を抱えているという点です。スレートへの塗装は美観の維持も大きな目的ですが、表面の塗膜を回復させて防水性や耐候性を高め、屋根材を長く使用するために保護するという意味もあります。ですがコロニアルNEOは塗膜を塗り替えたとしても必ずひび割れや反りが発生するため、塗装工事の意味がほとんど無くなってしまうのです。そのため、点検時の屋根材の特徴や図面でコロニアルNEOの使用が確認できましたら、塗装を避けて屋根カバー工事か葺き替え工事をご提案しております。



コロニアルNEOの劣化症状


色褪せ


長年の使用や気候の影響により、コロニアルNEOの屋根は色褪せることがあります。最初は鮮やかな色合いだった屋根も、時間とともにくすんで見えるようになります。この色褪せは紫外線や雨水による劣化が原因です。色褪せた屋根は外観の美しさを損なうだけでなく、防水性能の低下や耐久性の減少にもつながるため、早めの対策が必要です。


スレート屋根は長く使用していれば必ず色褪せが見られるようになりますが、コロニアルNEOでは症状に少し特徴があります。通常であれば色あせは屋根面に均一に現れますが、コロニアルNEOでは同じ屋根面でも1枚ずつ退色の程度がかなり違っていることがあります。


不規則なひび割れ


コロニアルNEOの劣化の兆候の一つとして、不規則なひび割れが現れることがあります。スレートは雨水や紫外線の影響を受け続けると負荷が掛かるため、塗装をしないまま放置をしていてひび割れてしまうこと自体はよくあります。そこで発生しやすいのがスレートを固定している釘を起点としたひび割れです。


ですが、コロニアルNEOは釘周りではなく不規則にひび割れや亀裂が生じます。ひび割れてしまった箇所は内部への雨水の浸透も増大し、いずれ欠けのような症状も発生しますが、コロニアルNEOは欠けの具合も大きくなることが多いです。


上記のような特徴的な症状の他、図面に記載されている情報や、屋根材の形状からもコロニアルNEOであるかが判定できます。コロニアルNEOが販売されていた2001年~2008年頃に建てられたお住いは特に使用されている可能性がありますので、一度無料点検などをご活用ください。



コロニアルNEOのメンテナンス方法


コロニアルNEOのメンテナンス方法には、以下のような手法があります。


❶屋根カバー工事


コロニアルNEOの劣化が進んだ場合、屋根カバー工事が有効な対策となります。この方法では、既存のコロニアルNEOの上に新しい屋根材を設置することで、屋根の保護や耐久性の向上を図ります。屋根カバー工事はコロニアルNEOを処分する必要がないため比較的手軽な方法であり、新しい防水紙や棟板金に交換することで屋根全体の防水性を高めることにも繋がります。


❷屋根葺き替え工事


屋根カバー工法と同様に、屋根材を新しくすることができる工事が葺き替えとなります。これは、古いコロニアルNEOを取り除き、新しい屋根材を施工する作業です。屋根葺き替えにより屋根の耐久性や防水性能を復元し、新たな寿命をもたせることができます。以前に使用されていたアスベスト含有の屋根材であれば処分費も嵩みますが、コロニアルNEOのようなノンアスベスト屋根材ですと比較的安く済みます。カバー工法を行っても、いずれ屋根材の処分はしなくてはならない時が来るため、軽量な金属屋根材に葺き替えて耐震性を向上させるというのお勧めの選択肢です。


屋根カバー工事と屋根葺き替え工事は、コロニアルNEOの劣化や老朽化に対する効果的な対策です。適切なタイミングで専門家に相談し、現地調査や評価を受けることが重要です。専門家は、コロニアルNEOの状態や屋根の要件に基づいて最適なメンテナンス手法を提案してくれます。屋根カバー工事や屋根葺き替え工事を検討する際には、専門家のアドバイスを受けながら、屋根の健康を守るための最善の選択をしましょう。


北九州の外装リフォーム専門店(外壁塗装・断熱塗装・屋根工事・防水工事・雨漏り)(株)匠エージェントでは専門の外装リフォーム検査士が細かく検査を行います。まずはコロニアルNEOなのか、もしくは他のノンアスベスト屋根材が使用されているか知りたいというご要望でも大歓迎ですので、お気軽にメールやお電話にてご相談ください!お見積りも同時に承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。


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