屋根に使われる谷板金とは?徹底的に解説!

おはようございます。北九州の外装リフォーム専門店(外壁塗装・断熱塗装・屋根工事・防水工事・雨漏り)『(株)匠エージェント』の店長 梶川です。


屋根にはさまざまな板金が使われていますが、屋根の板金というとスレート屋根などの棟板金を思い出される方も多いと思うのですが、それら以外にもさまざまな部分に用いられています。


唐草板金と呼ばれる軒先やケラバに取り付ける水切り用の板金もあり、「谷樋」や「谷板金」と呼ばれる部分もその一部です。雨漏りは屋根本体ではなく、こういった板金とその周辺の防水紙の劣化によって起こることがほとんどです。


屋根の中でも雨漏りが発生しやすいのが「谷」です。そんな谷を雨漏れから守る為に取り付けられるのが「谷板金(たにばんきん)」です。本日は谷板金がどのようなものなのか、またメンテナンス方法などについてお話していきます。


谷板金の役割とは?


まず「谷」とは、鋸屋根、複合屋根、ドーマー設置屋根といった、少し複雑な屋根形状により発生する場所を呼び名として言います。雨水が集水する場所に当たる為、水が溜まりやすく、雨漏れのリスクも高い場所になります。そして、谷部分は屋根材同士がぶつかる場所になる為、必ず隙間が発生してしまいます。その隙間部分から雨水が入らないように取り付ける役物のことを谷板金と呼びます。谷板金は屋根材が収められない場所に設置し、建物を雨漏れから守るという役割があります。


谷板金はメンテナンスが必要


谷板金の多くは瓦屋根、金属屋根、スレート屋根といった屋根材に限らず「ガルバリウム鋼板」が使用されています。ガルバリウム鋼板は錆びにくく耐久性の高い金属材ですが、劣化をしないという訳ではありません。条件が整えば錆びることで穴が空いてしまうことがあります。またそれだけでなく、舞い上がった土やほこり、落ち葉などの影響で詰まってしまうケースもあります。特に谷板金は雨水に晒される機会が多い場所なので、不具合が発生すると雨漏れの原因になりやすい場所です。その為、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。


谷板金の修理方法と費用相場


谷板金の修理内容は、瓦屋根の場合と瓦以外の屋根によって異なります。


瓦屋根の場合

瓦屋根の場合は、谷板金周辺の瓦を一旦取り外すことで、谷板金のみの部分交換が可能です。取り外した瓦は再利用ができます。瓦屋根の谷板金の部分交換費用は、1mあたり5,000円程度です。


瓦以外の場合

瓦以外の谷板金の部分交換をする際は、まず古い板金を撤去し、屋根の上から防水紙を貼って新しい谷板金を設置します。交換のみにかかる費用は、1mあたり4,000円~8,000くらいが相場です。


ただし、部分交換の場合は、谷板金に隣接する屋根材を剥がす必要があり、板金の修理後に新たに屋根材を葺かなければならないため、交換費用の他にさらに屋根材の設置費用もかかってしまいます。そのため、瓦以外で谷板金の修理を行う際は、谷板金のみを交換するのではなく、屋根全体のカバー工法を行ったうえで板金も新しいものに変えた方が費用を抑えられます。


谷板金から雨漏りが発生する原因


経年劣化による板金の歪み・ズレ

経年劣化によって板金が歪んだり、曲がってしまうと雨水を正しく排水できなくなります。そして、谷板金に溜まった雨水によって板金の劣化が進行し、隙間や浮いた部分から雨水が入り込んで雨漏りに繋がります。


サビの進行による穴

板金のサビは経年劣化によって発生します。サビが進行すると穴が開いてしまい、開いた部分から雨水が浸入して雨漏りに発展します。1番雨漏りが多い事例ではないでしょうか。


オーバフロー

オーバーフローとは、谷板金の排水能力が限界を超えてしまい、雨水が溢れてしまう現象のことです。オーバーフローは落ち葉やゴミの詰まり、積雪などによって発生し、オーバーフローにより溢れ出した雨水が行き場を無くすと、屋根内部に大量の水が入り込んでしまう恐れがあります。


施工不良

業者の施工不良が原因で雨漏りするケースもあります。考えられる施工不良としては、不要なコーキング処理や防水シートの不備などが挙げられます。知識不足の職人さんや業者がおこないがちです。


谷板金から雨漏りが起きている場合の修理方法


雨漏りが起きると不安なので一刻も早くなんとかしたいですよね。雨漏りは適切な施工を行うことで解決が可能です。ここからは谷板金からの雨漏りの補修方法をお話します。


部分交換

部分的に交換、補修する方法はコストも抑えることができて魅力的です。しかし、もしも元の古い部分に錆が残ってしまっているともらい錆で錆が新しい部分にも移ってしまい、せっかく交換した新しい部分が劣化してしまいます。また、元の板金と新しい板金がガルバリウム鋼板とステンレスなど異なる素材の場合、ガルバニック腐食という現象を起こすことがあります。ガルバニック腐食とは、異種金属接触腐食または接触腐食、あるいは電食ともいい、水にぬれた時に、より酸化しやすい金属と酸化しにくい金属が接触した時に、酸化しやすい金属の方が急速に錆びやすくなる現象です。もらい錆やガルバニック腐食を避けるためにも谷板金は全交換するのが推奨されています。


全交換

谷板金に穴が空いていたり、歪んでいるような場合には板金そのものを取り換えることが一般的です。谷板金そのものを新しい物に交換することで、不具合が払拭されて耐久性も向上します。しかし今の屋根が瓦屋根かその他のスレートや金属屋根かどうかで工事の内容は変わります。


谷板金からの雨漏りを防ぐには?


谷板金は雨漏りが発生しやすい場所です。雨漏りは一度起きると費用もかかりストレスも大きくなります。谷板金から雨漏りを起こさないためにはどうすればいいのでしょうか?


錆びにくいステンレス製にする

今人気のあるガルバリウム鋼鈑は錆びにくく高い耐久性を持つ素材で、鋼板(鉄の板)を錆びにくいメッキで保護しています。このガルバリウム鋼鈑よりもさらに錆びにくいのがステンレスです。ステンレスはよくキッチンなどに使用されていますが、鉄を主成分としてクロムやニッケルを混ぜた合金です。ステンレスが空気にふれるとこのクロムが鉄より先にイオン化して、不動態皮膜という錆びない被膜で覆うため非常に錆びにくい金属となっています。屋根の中で水を運ぶ樋の役割をする谷板金は水に触れる機会が多く、それだけ錆のリスクが高いため、ステンレスの谷板金を使用することで錆を防ぎ、雨漏りを防ぐことができます。値段も高いので敬遠がちにはなりますが、ガルバリウム鋼板と比較検討をしてみてはいかがでしょうか。


定期的な点検とメンテナンスを行う

錆に強いステンレスも錆びないわけではありません。もらい錆などによって錆びることもあります。今の谷板金の塗装が劣化していて、穴あきなどがなく劣化がひどくない場合には、ケレンを行って塗装でメンテナンスすることもできます。また定期的な点検をすることで、谷板金にごみがつまっていないかなどもチェックでき、清掃を行うことでオーバーフローによる雨漏りも防止できます。谷板金に限らず、屋根が今どういう状態なのか、10年に一度点検を行うことで状態を把握、必要があれば補修をすることで雨漏りを防ぐことができ、お家の寿命を延ばすことにつながります。屋根にご自分で登って補修や清掃をされるのは大変危険なため、専門家に相談されることをおすすめします。北九州の外装リフォーム専門店(株)匠エージェントでは随時屋根の点検サービスを行なっております。国家資格の一級かわらぶき技能士が谷板金をはじめ、さまざまな箇所を無料点検しますので、遠慮なくご相談ください


まとめ


屋根の中で最も雨漏りしやすいと言われる谷板金(谷樋)。屋根の谷部というくぼんだ場所にあるため、劣化していても気が付きにくい場所でもあります。雨漏りを防ぐためには定期的な点検と、雨漏りが発生してしまった場合にはすぐに専門家に相談するのが最も近道の解決方法です。雨漏りの原因発見や補修には雨漏り修理の経験と知識を積んだ屋根専門業者に任せるのが一番安心です。北九州の外装リフォーム専門店「(株)匠エージェント」店長の梶川へ、どんどんご相談ください。お待ちしています。

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