ウレタン塗膜防水とは?特徴や工法、価格など

皆さんおはようございます。北九州市の外装リフォーム専門店(株)匠エージェント 店長の梶川です。私が住んでいる小倉北区もようやく雨も上がってきました。雨と言えば防水ですよね。防水工事ってなかなか普段は聞かない言葉ですがいかがでしょう?ウレタン塗膜防水って言葉はなんとなく聞いたことがあるけど、どんな工事なのか工事費用がいくらかかるのか分からないですよね。そんな皆さんのお宅も以前に防水工事を行なってから数年が経ち、「そろそろメンテナンスを行うべきかどうか?特に今雨漏りとかの問題がないからそのままで何もしなくていいのかどうかの判断もつかない...」とそんな疑問を抱えていませんか?


今日のテーマの「ウレタン塗膜防水」とは、防水工事の中でも比較的費用をおさえられて耐久性が高く、どんな形状の場所でも使用できるなどのメリットが多いことから、多く採用されている防水工事です。


液体状のウレタン樹脂を複数回塗ることで防水層を形成し、雨水の浸入を防ぎます。主流とも言えるウレタン塗膜防水は取り扱う防水施工業者も多いのですが、完成後正しく施工されたのか判断がしにくく、専門知識のない悪徳防水業者が潜んでいる可能性も高いという面を持ちます。今日は、ウレタン塗膜防水の特徴や価格、工程などの基礎知識から悪徳業者にだまされないためのポイントまでウレタン防水に関する全知識をお話します。ウレタン塗膜防水がどんな工事なのか、メンテナンスを行なうべきなのかお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。



ウレタン塗膜防水とは?


ウレタン塗膜防水とは、マンションや陸屋根などの平らな屋上に行なう防水工事のひとつです。液体状のウレタン樹脂を複数回塗ることでつなぎ目のない防水層を形成し、雨水の浸入を防ぎます。

施工も簡単で、防水工事の中では安価な上に、別の素材の防水材があってもそのまま上から重ね塗りもできるなどメリットが多く、最も主流の改修用防水工事です。5、6年ごとにトップコートを再塗装することで、10年程度、防水効果を保持できます。(塗料によります)液体状のため、屋上、ベランダ、バルコニー等どんな形状の場所にも採用できます。短所としては、人の手で塗るため、完全に均一な膜厚にはならない(専用の機器を用いれば最小限に抑えることが可能です)、乾燥に時間がかかる(その間歩けないためマンションの廊下などには不向き)、デザイン性がないということが挙げられますが、性能的に目立った短所はありません。迷ったらウレタン塗膜防水と言っても過言ではないでしょう。


ウレタン塗膜防水の補修サイン


防水工事を行なってから10年以上経過している場合は防水工事を、5年ほどの場合は防水層を覆っているトップコートの塗り替えを依頼するといいでしょう。メンテナンスは早めの方が費用も安くなります。雨漏りしていなくても、ベランダやバルコニーなど目視可能な箇所は定期的に下記のような劣化症状がないかチェックしましょう。直接目視できない場合は、近くの高い建物などから望遠鏡を使って確認してみたり、防水工事を行なってから5~10年の間に防水業者に調査や診断を依頼したりするといいでしょう。望遠鏡を使って劣化症状が見られた場合は、実際近くで見るとよりひどい状態であることが多いため、出来る限り早めに防水業者に確認を依頼しましょう。補修のサインは次の通りです。1つでも当てはまれば、ウレタン防水の寿命が薄れている可能性が高いです。


ア)緊急性はないけれど要注意が必要


・表面が色あせている

・ひび割れが発生している

・ルーフドレン(水を外部に流すための排水溝)の周りにゴミがたまっている

・雨上がりなど、一部分に水がたまっている

・コケや藻、雑草が生えている(防水層まで根が生えているかもしれません。むやみに抜くのはやめましょう)


イ)早急に防水施工業者に依頼が必要

・室内に雨漏りが発生している

・防水層が膨れている

・ルーフドレン(水を外部に流すための排水溝)が詰まっている



ウレタン塗膜防水の施工価格


ウレタン防水(密着工法)にかかる施工費用は、工事費や人件費も含めて約5,500~/㎡ほどが目安です。通気緩衝工法になると、密着工法より少し高くなり、だいたい6,500円/㎡~ほどかかります。使用するグレードや、屋上なのかベランダなのか防水工事を行なう広さによっても価格が変わってきます。雨漏りや大きなひび割れといった不具合があった、大きなゴミが置いてあったなど、場合によっては、修繕費、撤去費等を別途とられる可能性がありますので、施工業者に事前によく確認しておきましょう。


ウレタン塗膜防水の2つの工法


ウレタン防水の工法には、主に2種類あります。その施工方法が、通気緩衝工法・密着工法です。ウレタン防水を適切に仕上げるためにも、これらの工法に詳しく知っておきましょう。ひとくちにウレタン防水といっても、さまざまな工法があります。適切な工法を選択しないと、亀裂が入ったり、防水層がふくれ上がったりなどのトラブルに見舞われ、雨漏りの原因となってしまいます。どうせ防水工事を行うのであれば、そ建物に合う工法を選びましょう。そして、適切な防水施工業者に適切な見積もりを出してもらいましょう。そのためにも、防水の専門知識はある程度必要です。



❶通気緩衝工法


通気緩衝工法とは、ポリウレタンの樹脂を一定の厚みを保ったまま均一に流し込みます。そして継ぎ目のない塗膜をつくることによって、防水層を作るものです。雨が降るなどの上部からの水分をカットしてくれるとともに、膨れ上がりの原因となる下地に含まれる水分、蒸気化した水分を脱気装置にて外部に排出します。そのため、安全で信頼性が高くなります。


通気緩衝工法には、


・下地や環境が良好でない状況、広さのある場所の防水工事にも対応できる

・脱気ができるので割れや破断が起きにくく防水機能が長持ちする

・定期メンテナンスや次回工事費用など、ランニングコストを抑えられる


などの長所があります。しかし、工事日数とコストがかかる、重歩行が不可能なので、日常で人の利用頻度が多い場所の防水には向かない、という短所があります。


通気緩衝工法の施工工程


①清掃・洗浄

密着性を高めるために、ホコリをしっかり清掃します。


②下地補修

樹脂モルタルで補修します。


③プライマーの塗布

ベランダの床面にプライマーを塗布します。プライマーには接着剤のような役割があるため、この後施工するシートとの密着性を高める効果があります。


④通気緩衝シートの設置

通気緩衝シート(絶縁シートともいいます)を設置します。

つなぎ目にも防水テープを使用してきっちりと敷き詰めます。

この時、「脱気筒(だっきとう)」と呼ばれる換気のための部材を取り付けます。下地に含まれた水分は施工中から施工後にもここから排出されます。

⑤ウレタン防水塗装

防水層を2層形成するために、2回ウレタン防水塗装を行います。厚みをつけるのですが、ここが一番重要な工程です。

⑥トップコート

仕上げに表面層を塗装します。防水層を保護し、なめらかな床面に整えました。グレーカラーのほか、ブルーやグリーンなどもお選びいただけます。トップコートを塗って完成です。



❷密着工法


密着工法は、液体ウレタン塗膜防水材を塗布します。防水層を作って水を防ぐ方法です。下地の形状によくなじみ、密着性に優れています。そのため、既存の防水層の重ね塗りが可能です。また、防水層はとても軽いため、建物への負担が少ないのも特徴です。継ぎ目なく施工が可能ですので、仕上がりが綺麗で、複雑な形状のベランダなどでも施工できます。


密着工法には、


・絶縁工法より工期が短く、費用も安く工事することができてコスパが良い


・いろんな下地にも対応できるうえ、ベランダやバルコニーなどの人の歩行が多い場所にも施工できる


・防水層が軽量なため、建物への負担が軽減される


などの長所があります。


しかし、下地の状態が防水層に影響を与えるので、下地がひび割れすると防水層もひび割れしてしまう、下地の水分が蒸発すると、防水層が膨らんでしまう、という短所があります。


密着工法の施工工法


①清掃・洗浄

密着性を高めるために、ホコリをしっかり清掃します。


②下地補修

樹脂モルタルで補修します。


③プライマーの塗布

床材とウレタンの密着を良くするプライマーを全面に塗りつけます。


④ウレタン防水塗膜

防水層を2層形成するために、2回ウレタン防水塗装を行います。厚みをつけるのですが、ここが一番重要な工程です。


⑤トップコート塗布

仕上げに表面層を塗装します。防水層を保護し、なめらかな床面に整えました。グレーカラーのほか、ブルーやグリーンなどもお選びいただけます。トップコートを塗って完成です。



ウレタン塗膜防水を長持ちさせるための秘策


色が変わってきたらトップコートを塗り替える


トップコートは、紫外線から防水層を守る役割をしています。トップコートが剥がれてくると紫外線や熱の影響によって防水層が急速に劣化します。ウレタン防水であれば黄色く変色し、硬化してしまい、ひび割れの原因になります。基本的には5年を目安に塗り替えるといいでしょう。トップコートのなかには、フッ素など10年おきの塗替えでも大丈夫な高耐久性のものや遮熱効果を持ったものもあります。通常のトップコートより費用がかかりますが、塗替えの回数や遮熱効果による光熱費の削減で長い目で見てお得な場合があります。お家を何年持たせたいか、夏場の2階が非常に暑いなどといった問題がないか洗い出し、防水施工業者に相談するといいでしょう。



まとめ


住宅を雨水や漏水から守るためには、適切な施工方法を知ることも重要です。施工方法には何種類もありますので、それぞれの特性を知って、自分の家や予算にぴったりあった施工方法を選びましょう。自分の家の屋根やベランダとよく合う施工方法を知るには、まずはお見積もりを取ることが重要です。雨漏りは一度してしまったら家が大きくダメージを受けます。事前の防水工事が大切であることはいうまでもありません。



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