ガルバリウム鋼板でカバー工法

屋根のカバー工法って何?


現在の屋根をほぼそのまま残し、その上に新しい屋根を載せて、覆うのが屋根カバー工法です。


文字通り、屋根を屋根でカバーする工法で、北九州でも盛んに行われている屋根工事です。


屋根を屋根でカバーすることによって、屋根が二重になります。


屋根を重ねて葺くので、「重ね葺き」という呼ばれ方もします。



コロニアル(スレート瓦・カラーベスト)に適したリフォーム方法


カバー工法とは主にコロニアルの上に、軽い金属屋根を重ね張りする屋根のリフォーム方法のひとつです。


なお、金属屋根を重ね張りする前には下葺き材(防水シート・ルーフィング)を張る必要があります。


コロニアルとは厚さ5mmm程度の薄く平べったいスレートが主成分の屋根仕上げ材です。


コロニアルは「スレート系屋根材」「軽量スレート 」「化粧スレート 」「薄型スレート 」「スレート瓦 」「カラーベスト 」とよばれることがあります。


コロニアルはケイミュー(旧クボタ松下電工外装)が取り扱うスレート系屋根材の“商品名”です。


ケイミューは屋根材と雨どいで圧倒的なシェアを占めるトップメーカーです。


コロニアルは大量に流通しており、現在ではスレート屋根そのものを示す言葉になっています。


つまり、商品名が一般名詞化しているということです。


匠エージェントのホームページでもスレート系屋根材のことを「コロニアル」と表しています。


コロニアルは軽く初期費用が安いため、高度成長期の日本で急速に普及しました。


そのため、新築の戸建て住宅では最も使用されています。


屋根仕上げ材全体のシェアは瓦(陶器瓦や粘土瓦)に次いで第2位です。


屋根仕上げ材にはたくさんの種類がありますが、屋根カバー工法は全ての屋根材で適用できるわけではありません。


たとえば、重い陶器瓦の屋根の上に新たに屋根材を張ることはできません。


そのため、戸建て住宅におけるカバー工法とは、基本的にコロニアルのリフォーム時でおこなう工事となります。


カバー工法が広がった背景!


コロニアルは30年を過ぎると屋根材としての機能が低下し、本格的な改修工事が必要になるとメーカーからアナウンスされています。


30年は維持するというわけではなく、環境の影響や商品自体の問題で、10年程度で、屋根の塗装工事や屋根の葺き替え工事などの改修工事が必要になることもあります。


つまり、コロニアルはあまり長持ちしない屋根ということです。


コロニアルの改修工事のひとつに、既存のコロニアルを剥が屋根を張り替える「葺き替え工事(ふきかえ)」があります。


しかし、葺き替え工事は剥がす手間賃や工期がかさみみます。


このような背景の中、既存のコロニアルの上に軽量の屋根材を張る「カバー工法」が開発されました。


カバー工法は「重ね葺き」「重ね張り」「被せ張り」「被せ工法」ともよばれています。


コロニアルのリフォーム工事において、カバー工法は最もスタンダードな工事方法として認められています。


なお、カバー工法で上に重ねて張る屋根材にも条件があります。


最も重要な条件は「軽さ」です。


カバー工法をおこなうことで屋根材が2重に仕上がるので、耐震性に十分な注意を払う必要があります。


そのため、最も軽量の屋根材である「金属屋根」がカバー工法で仕上げる屋根材として最も多く使われます。


金属屋根は屋根瓦のフォルムに加工された成型ガルバ(成型ガルバリウム鋼板屋根)が人気です。


いわゆるメーカー加工品のことで、代表的な商品としてはアイジー工業の「スーパーガルテクト」やニチハの「横暖ルーフα」などがあげられます。


カバー工法は良いの?悪いの?


お客様から「屋根カバー工法は良くない」と言われることがあります。


結論を先に伝えると、予算があるお客様には「葺き替え」を北九州市のこだわり屋根工事専門会社「匠エージェント」はおすすめします。


葺き替えがベストであるのは言うまでもありません。


葺き替えをすることで屋根全体が軽くなり、リフレッシュします。


しかし、屋根のリフォーム費用はとても高額です。


屋根の葺き替えリフォームはカバー工法に比べて1.3倍から1.5倍程度、リフォーム費用が高額になります。


問題は予算だけではありません。


剥がす手間があるため、工期も長くなります。


もしコロニアルがアスベスト入りであった場合、アスベスト対策をおこなう必要があります。


そして比較的新しい木造住宅の場合、既存コロニアルを留める釘が強固に打たれています。


葺き替えで無理にコロニアルを剥がそうとすると、下地や垂木(たるき)、構造材を痛める結果を招きます。


デメリットを考えるとカバー工法は合理的な工事方法であり、コロニアルのリフォームでは第1選択になる工事方法です。



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